今のところ、私の職業を聞かれたら即効で「プログラマー」であると答えていますが、よくよく考えてみると、実は今の仕事の5割は文書執筆に割かれています。文章を書くことが多いので、いろいろなツールを使って文章を書いています。それで、文章執筆の仕事をする上で最も面倒なのが「文書校正」の作業です。
物書きを始めた頃は、私の書いた文章には、誤字脱字や意味不明な文が多いという指摘も多くあり、へこんだものです。それで、文章を書いた後には、目を皿のようにして、チェックしていました。しかし、それでも完全ではなく、なかなか苦労してきました。今では、いろいろ文章を書くためのノウハウが溜まってきたので、文章を書いた後、いろいろな方法で、文書校正を行なっています。そこで、今回は、文書校正を支援するツールについて、まとめてみます。
そもそも、あまり言及されてないように思いますが、Microsoft Wordの文書校正ツールは、なかなか、スグレモノです。Wordで文章を書いていると、文章の下に波線が出ます。あまりにもたくさん出るので、機能をオフにされている方も多いと思います。実は私も、執筆の妨げになるのと、軽快に文章を書きたので、普段は普通のテキストエディタで文章を書いています。
しかし、文章を書いた後に、Wordにテキストを貼り付けて校正ツールを実行して、最終チェックをしています。英語の綴りミスだったり、言い回しが中途半端だったりする、うっかりミスを的確に指摘してくれます。
そして、Wordよりも親切に文書校正を行なってくれるのが、JustSystemの一太郎です。かなり、多くの項目をチェックしてくれます。用途に応じた校正のカスタマイズも備えているので強力です。頼りになります。
Wordと一太郎の両ツールを使って、二重チェックすると、最強です。それだけで、かなりの誤字脱字や表現の揺れを発見することができます。
最近の日本語入力ソフトは、入力候補に辞書を出してくれるので、後から辞書を引かなくても、文章の作成中に間違った漢字を入力せずに済みます。また、語彙の使い方が間違っていると、入力の時点で間違いを正してくれたり、正確な言い回しに置き換えてくれます。ATOK+辞書セットは、もう手放したくない存在です。
そして、最強の校正ツール(と呼んで良いのかどうか)が、やはり、人力です。
機械的な校正ツールには限界があります。他人に読んでもらって、間違いを指摘してもらうのが一番です。
人間による校正は、機械では発見できない微妙な間違いに加え、文法としては正しいものの文章としておかしい部分を指摘することができます。(文法が正しく文章がおかしいというのは、寝不足だったり、疲れていたりする時に書いた文章に多いんです。)
ですから、他人に校正を頼めれば、それが一番ですが、それが難しい場合も多いものです。そこで、校正時のヒントなのですが、自分でやるとしても、書いたすぐ後に最終校正をするのではなく、時間を置いてから、校正作業をやるのがポイントです。時間を置いて、自分の書いた文章を読みなおすと、その時の自分とは違った視点を持つことができるので、効率が良いのです。誤字脱字の発見率が高まり、ロジックの間違いも見つけやすくなります。書いてすぐ読んでも、間違いを見つけられますが、それよりも、少し時間を置いてから、読むと他人の視点で文章を読むことができます。
締め切りの少し前に原稿を仕上げておいて、締め切り前に再度読みなおして、校正したり加筆したりして提出する・・・なかなか難しいですが、これができたら、本当に素晴らしいことです。
少し、気になっているのが、一太郎のJustSystemが開発してる、Just Right!5 Proです。基本的には、一太郎の文章校正エンジンと同じなのだと思いますが、専用のツールなので、使い勝手が良いのだろうと思います。
無料で使える文章校正ツールとしては「Tomarigi(校正・推敲支援ツール)」があります。
以下のURLから入手できます。
Mecab/Cabochaといった形態素解析ツールを利用して、文書校正を支援してくれます。こちらも、さまざまなチェック項目があり、長文チェックや同音異義語のチェックなどなど、基本的な文法のチェックが可能です。係り結びのチェックもしてくれるので、無料ながら、かなり優れたツールです。
以前、当ブログでも紹介していますが、自分の視点を変えるという意味で、音声読み上げソフトで文章を読ませるという方法があります。有料・無料の読み上げソフトがいろいろあるので、これらを利用して、文章を読み上げさせてみると、新たな発見があります。
特に、簡単な文章で相手に伝えたいという場合には、音声の読み上げは最適です。しかし、文章の読み上げを使うと、校正に時間がかかるので、なかなかゆとりのあるときしか使えません。
まとめですが、お金を書けずに文書校正しようと思ったら、無料の専用校正ツール「Tomarigi」が第一候補でしょう。もし、ちょっとお金を掛けて良いなら、WordとATOK、一太郎の組み合わせは、かなりオススメです。